簡易で連続制御に適したセラミックスセンサとその応用
2000年1月 発行
B5版 600頁
定価 25,200円(税込)

■刊行主旨■
 セラミックスは化学的・物理的安定性が優れているため,温度・ガス・湿度・圧力・加速度などのセンサ用素子として研究され,製品化されています.セラミックスの半導性を利用した,サーミスタ,ガスセンサ,湿度センサ,匂いセンサなど,酸素イオン導電体性を利用した酸素センサ,圧電性を利用した加速度センサ,焦電性や光電性を利用したセンサが開発されています.また,セラミックスセンサの多くは,粒界面で起こる現象などを利用しており,応答がよくまた微小な検出端にできるます.また,薄膜・微細加工技術,複合化技術,演算素子の発達と相俟って多次元化・多機能化が図られ,特殊な制御系の構築に大きな威力発揮しています.
 本書は,セラミックスセンサについて原理から,応用までを「マテリアルインテグレーション」に掲載された記事を系統的にし1冊にまとめたものです.


Contents

■第一部 総論■

 第1章 環境計測管理に使用されるセラミックスセンサの開発
         1.はじめに
         2.環境計測技術の概要
         3.大気環境計測用のセンサ
         4.水質環境用計測センサ
         5.おわりに


 第2章 家庭環境におけるアメニティー -センサ技術を中心として-
         1.はじめに
         2.快適な温熱環境
         3.快適な空気質環境
         4.その他の環境
         5.おわりに



■第2部 化学センサ■


 第1章 化学センサの新展開
   第1節 化学センサ
           1.化学センサ概観
           2.新しいガスセンサの開発に向けて
           3.おわりに


   第2節 新しい化学センサとその応用
           1.はじめに
           2.LAPS及び化学イメージセンサ
           3.化学イメージセンサの応用


 第2章 各動ガスセンサとその応用
   第1節 ガスセンサ技術の現状と新展開
        -都市ガス事業への応用を中心として-
           1.はじめに
           2.メタンセンサ
           3.COセンサ
           4.NOセンサ
           5.おわりに


   第2節 空気質とガスセンサ
           1.はじめに
           2.室内環境用ガスセンサ
           3.空調用CO
2センサ
           4.おわりに


   第3節 選択性セラミックガスセンサ
           1.はじめに
           2.センサの構造と動作原理
           3.動作原理
           4.各種選択性ガスセンサ


   第4節 セラミックスガスセンサの作動原理と設計指針
           1.はじめに
           2.半導体ガスセンサとは
           3.センサの設計指針
           4.おわりに


   第5節 半導体開接合を用いたガスセンサ -センサのインテリジェント化-
           1.はじめに
           2.開接合とは
           3.加燃性ガスの識別
           4.様々な開接合型センサ
           5.おわりに


   第6節 可燃性ガスセンサの最新技術動向
           1.可燃性ガスセンサの需要動向
           2.都市ガス警報器
           3.給湯器内蔵型COセンサ
           4.おわりに


   第7節 In2O3薄膜型ガスセンサを用いた溶水オゾン計
           1.はじめに
           2.In
2O3薄膜型ガスセンサ
           3.溶水オゾン計
           4.フィールドテスト
           5.まとめ


   第8節 半導体製造用ガスセンシングの現状と課題
           1.はじめに
           2.半導体製造用ガスの毒性
           3.ガス漏洩探知方式の種類
           4.ガス漏洩探知器に要求される性能
           5.ガス漏洩探知システムの基本構成
           6.ガス漏洩探知器の設置
           7.今後の課題


 第3章 匂いセンサ
   第1節 匂いセンシングの現状と課題
           1.はじめに
           2.金属酸化物半導体を用いたニオイ探知用センサの原理と構造
           3.ニオイ探知用センサの応用
           4.匂いの識別へのチャレンジ
           5.まとめ


   第2節 食品の品質管理用酸化物半導体においセンサ
           1.はじめに
           2.スープ品質管理用センサシステムの設計方針
           3.メチルピラジン(MP)探知用材料の検索
           4.各種におい成分用センサの特性
           5.コンソメスープサンプルに対する応答
           6.牛肉鮮度評価用センサ材料の探索
           7.牛肉のヘッドスペースガスのモニタリング
           8.おわりに


   第3節 エレクトロニックノース(人工電子鼻)
       -水晶振動子を用いた「におい」センサ-
           1.はじめに
           2.水晶振動子式「におい」センサの原理とシステム構成
           3.エレクトロニックノースの応用分野および将来展望


   第4節 浄水場原水の微量油分監視システム
           1.はじめに
           2.水中油分検出の原理
           3.装置の特性
           4.フィールド実験での油分検知事例
           5.おわりに


 第4章 酸素センサ
   第1節 酸素センサ
           1.はじめに
           2.地球環境と自動車関連法規制
           3.空燃比と酸素センサ
           4.自動車触媒劣化検知
           5.酸素センサの構造
           6.これからの酸素センサ


   第2節 自動車用酸素センサの技術動向
           1.はじめに
           2.濃淡電池式O
2センサ
           3.広域空燃比検出センサ
           4.今後の酸素センサの技術動向


   第3節 ホットスポット現象を用いたYBa2Cu3O7-δ酸素センサ
           1.はじめに
           2.ホットスポット現象について
           3.ホットスポット現象のメカニズム
           4.センサ特性
           5.おわりに


   第4節 ムライト利用O2センサ
           1.はじめに
           2.ムライトの結晶構造とイオン伝導性について
           3.溶鋼用酸素センサへの応用
           4.おわりに


 第5章 CO2センサ
   第1節 分子鋳型法-有機無機複合膜の作製とCO2センサへの応用
           1.はじめに
           2.有機-無機複合体を利用した無機化合物の合成
           3.分子膜を用いた超微粒子合成
           4.キャスト法を用いた無機超薄膜の合成
           5.キャスト法によるCuO超薄膜の作製とCO
2センサ特性
           6.おわりに


   第2節 セラミック炭酸ガスセンサの動向
           1.はじめに
           2.セラミック炭酸ガスセンサ
           3.おわりに


 第6章 その他のガスセンサ
   第1節 水質オンラインセンシングの現状と課題
           1.はじめに
           2.環境水質センシングの代表的アプリケーション事例
           3.今後の課題


   第2節 SOx自動計測器の現状と課題
           1.二酸化硫黄による大気汚染の現状
           2.大気汚染防止法に基づく規制の実施
           3.大気中の二酸化硫黄色自動計測器
           4.固定発生源用二酸化硫黄自動計測器
           5.SO
xセンサ
           6.共通の課題


   第3節 オゾンモニタ-オゾンセンサノ応用-
           1.はじめに
           2.オゾンの測定方法
           3.オゾンセンサ
           4.オゾン検知装置
           5.オゾンモニターの応用
           6.おわりに


   第4節 湿度センサ
           1.はじめに
           2.湿度センサとは
           3.セラミック湿度センサの動作原理
           4.湿度センサの研究開発動向
           5.おわりに


   第5節 排気温度センサ
           1.はじめに
           2.電気抵抗形センサ
           3.サーミスタ
           4.高温度サーミスタ
           5.エンジン排ガスへの応用
           6.おわりに

           

■第3部 圧電セラミックスセンサ■

 第1章 加速度センサ
   第1節 加速度センサ
           1.はじめに
           2.エアバッグ用加速度センサの返還
           3.検出素子について
           4.検出体部
           5.信号処理回路
           6.加速度センサの構造
           7.加速度センサの特性
           8.信頼性


   第2節 エアバッグシステム用加速度センサ
           1.要旨
           2.加速度センサへの基本要求性能
           3.圧電式加速度センサ
           4.加速度センサの基本構造
           5.各種加速度センサの比較,評価
           6.エアバッグ用加速度センサの小型化
           7.結言


   第3節 マイクロマシーニング技術を利用したエアコン用温・湿度センサ
           1.はじめに
           2.絶対温度と相対湿度
           3.絶対湿度センサの測定原理
           4.絶対湿度の実測
           5.おわりに


   第4節 圧電ジャイロ設計の基礎
           1.まえがき
           2.動作原理と等価回路
           3.信号検出法
           3.感度
           4.周波数応答特性
           5.支持による影響
           6.あとがき


   第5節 自動車用方位センサ,角速度センサとしてのジャイロスコープ
           1.まえがき
           2.方位センサとしての地磁気センサ(磁気コンパス)の問題
           3.ジャイロの種類と特徴
           4.自動車用として小形化,低コスト化を実現した圧電形振動ジャイロ
           5.近未来への夢:マイクロマシ?ニング技術を応用した振動ジャイロ
           6.むすび:振動ジャイロの課題と今後の展開


   第6節 表面実装型ショックセンサ
           1.はじめに
           2.要求性能
           3.原理と構造
           4.PKGSシリーズの特性
           5.将来の展望


   第7節 ノッキングセンサ
           1.まえがき
           2.ノッキングとは
           3.検出方法
           4.ノックセンサの種類
           5.ノックセンサ各論
           6.ノックセンサの今後の方向


 第2章 アクチュエータセンサ
   第1節 電子制御サスペンション用アクチュエータ・センサ
           1.まえがき
           2.減衰力制御システムの構成と作動
           3.路面センサ
           4.アクチュエータ
           5.アブソーバ
           6.車両性能
           7.まとめ


   第2節 雰囲気を感知するアクチュエータ
           1.はじめに
           2.動作原理
           3.湿度に感応する圧電アクチュエータ
           4.還元性ガスに感応する圧電アクチュエータ
           5.まとめ



■第4部 マイクロセンサ■

 第1章 マイクロセンサ
   第1節 マイクロセンサの現状と展望
           1.はじめに
           2.能動カテーテル(多数の要素が分布したシステム)
           3.角速度センサ(センサとアクチュエータの集積化)
           4.超高感度センサとナノマシニング(極微細化)
           5.まとめ


   第2節 マイクロセンサ・マイクロマシンの現状と動向
           1.まえがき
           2.材料
           3.加工プロセス
           4.マイクロセンサ
           5.マイクロマシン
           6.まとめ


   第3節 マイクロセンサ
           1.まえがき
           2.サーマルセンサのマイクロ化
           3.マイクロ焦電型赤外線センサ
           4.あとがき


   第4節 薄膜フラックスゲート型磁気センサとその応用
           1.はじめに
           2.薄膜FGセンサの構造
           3.薄膜FGセンサの試作
           4.薄膜FGセンサの特性
           5.薄膜FGの応用
           6.おわりに


   第5節 マイクロジャイロの現状と展望
           1.まえがき
           2.振動型ジャイロの動作原理
           3.研究開発の現状
           4.マイクロジャイロの具体例
           5.今後の課題
           6.おわりに


 第2章 焦電センサ
   第1節 焦電センサ
           1.はじめに
           2.焦電セラミック材料
           3.焦電センサの具体例
           4.おわりに


   第2節 薄膜焦電材料の開発とその応用
           1.まえがき
           2.薄膜焦電材料
           3.薄膜焦電型赤外線センサ
           4.あとがき


   第3節 焦電セラミックセンサ
           1.はじめに
           2.焦電型赤外線センサ
           3.応用分野
           4.技術開発動向
           5.まとめ


   第4節 五里霧中の世界を見通す赤外線セラミックセンサ
           1.はじめに
           2.焦電型赤外線センサ
           3.応用
           4.今後の開発動向
           5.おわりに



■第5部 その他■

 第1章 感触センサ
   第1節 新しい有機/無機感触センサ
           1.はじめに
           2.感触センサの基本構想
           3.感触センサの設計
           4.導電原理及び試料の調整
           5.電気的特性
           6.機械的特性
           7.課題と展望
           8.まとめ


   第2節 新しい感触センサの設計と実用化
           1.はじめに
           2.成果と課題
           3.感触センサの基本構想と設計
           4.耐久性
           5.繰り返し試験,経時変化,応答性
           6.平面加圧とR加圧の応力分布
           7.実用例の紹介
           8.おわりに


 第2章 コーナーセンサ(空中超音波計測)
         1.はじめに
         2.基本原理
         3.空中用超音波センサ
         4.おわりに


 第3章 イオン工学技術の手法を用いた有機・無機ヘテロ接合型
      光センサ創製

         1.はじめに
         2.銅フタロシアニン・酸化チタン超格子素子の光センシング機能
         3.結論


 第4章 純粋な4軸方向力を用いた新しいABS(M-ABS)
         1.はじめに
         2.M-ABSの必要性
         3.マイクロセンサとは
         4.静的試験によるマイクロセンサ実験
         5.試験車両による動的実験
         6.M-ABS制御実験
         7.他の車両運動制御への応用