『新エネルギー時代の二次電池とセラミックス材料』―リチウム電池を中心として―増補改訂版 2003年6月:発行 B5版 400頁 定価 26,000円(税別・送料別) ■刊行主旨■ 情報・通信機器をはじめとして携帯機器の小形軽量化が進行しており、これを可能とする重要技術として電池技術が注目されています。特に携帯電話などは一次電池では消耗が激しく二次電池が用いられていますが、二次電池の中でも特にリチウムイオン電池が高エネルギー密度の特性を有し、電池の軽量小形化、あるいは長時間の使用を可能にしています。一方、環境問題から電気自動車用の二次電池や局地発電用燃料電池、電力貯蔵用電池、太陽光発電など材料開発による高効率化と実用に向けてのシステムの開発が各所で行われています。 本書は、情報化と環境を考慮した新エネルギー時代を担う電池関連セラミックス材料について、旧版以降これまでに月刊「マテリアルインテグレーション」に掲載された記事を中心に新しく加え、再編集致しました。本書によって知見を積み重ねて頂ければ幸甚です。 Contents ■第T部 総 論■ 第1節 新しく台頭する新技術の産業社会への影響 1 はじめに 2 電気自動車の開発 3 電気自動車用電池の開発 4 亜鉛ー空気電池 5 ドイツにおけるZn-Air電池搭載電器自動車の実証実験 6 電機二重層キャパシタ 7 新型超強力モーター 第2節 新しい電池とセラミックス 1 はじめに 2 電池の概要 3 電池の構成 4 おわりに 第3節 分散型電力貯蔵用電池 1 はじめに 2 電力貯蔵用電池の開発と現状 3 高能率未来型電池の特徴と開発課題 4 研究開発により期待される波及効果 5 おわりに 第4節 電力貯蔵用NAS電池の開発 1 はじめに 2 電力貯蔵技術の開発状況 3 NAS電池の特徴 4 技術開発状況 5 用途別システムの実証 6 期待される効果と今後の課題 7 あとがき ■第U部 リチウムイオン電池■ 第1章 総論 第1節 転換期を迎えたリチウムイオン電池市場 1 はじめに 2 99年,成長にブレーキ? 3 順調な数量の伸び 4 高性能化による本数の減少 5 激化する価格競争 7 リチウムイオンポリマー二次電池の登場 第2節 リチウムイオン二次電池の最新技術 1 はじめに 2 リチウムイオン二次電池の概要 3 リチウムイオン二次電池の技術動向 4 おわりに/今後の展望 第3節 新しいリチウム二次電池の創製をめざして 1 はじめに 2 リチウム二次電池用不燃性電解液の開発 3 LiMn系リチウムイオン二次電池用正極材料の電池特性とその熱力学的検討 4 泳動電着法を用いたリチウム二次電池用電極の作製 5 おわりに 第4節 Liイオン電池のバックアップ用途への適用可能性 1 はじめに 2 バックアップ電池の特長 3 市販Liイオン電池のバックアップ特性 3.1 評価手法 3.2 バックアップ用途における寿命と温度依存性 4 バックアップ用途における劣化原因 5 おわりに 第2章 電気自動車用リチウムイオン電池の開発 第1節 電気自動車リチウムイオン二次電池の開発 1 はじめに 2 リチウムイオン二次電池の原理 3 リチウムイオン二次電池の負極材料の開発 4 リチウムイオン二次電池の特徴 5 リチウムイオン二次電池の大型化 6 今後の展望と課題 第2節 EV及びHEV用リチウムイオン二次電池 1 はじめに 2 電池のエネルギー効率と熱的課題 3 EV用高エネルギー密度型リチウムイオン電池 4 HEV用高パワー密度型リチウムイオン電池の研究・開発 第3節 リチウムイオン二次電池の高出力化 1 はじめに 2 リチウムイオン二次電池の特徴 3 電気自動車用電池に求められる高出力特性 4 リチウムイオン二次電池の高出力化 5 EV用リチウムイオン二次電池の特性 6 まとめ 第4節 車載用Mn系Liイオン二次電池材料と積層ラミネート型電池の開発 1 はじめに 2 材料性能の円筒型電池での検証 3 積層ラミネート型電池の開発 4 おわりに 第3章 インターカレーションと電池材料 第1節 インターカレーションと電気化学 1 電位とインターカレーション 2 酸化・還元剤による(ディ)インターカレーション 3 電気化学的酸化による酸素ドープ 第2節 インターカレーション化合物と電池正極 1 はじめに 2 遷移金属硫化物 3 遷移金属酸化物 4 新たなインターかレーション材料 5 おわりに 第3節 炭素負極におけるインターカレーション現像 1 まえがき 2 負極用炭素材料 3 グラファイト層間化合物と負極の挙動 4 Li貯蔵モデル 5 まとめ 第4章 正極材料 第1節 リチウムイオン二次電池5V級正極活物質の電子状態 1 はじめに 2 3d遷移金属酸化物の電子状態 3 X腺吸収端近傍構造法(X-ray Absorption Near Edge Structure:XANES) 4 LiMn2O4正極活物質の充放電に伴う電子状態の変化 5 LiCryMn2-yO4正極活物質の充放電に伴う電子状態の変化 6 LiNiyMn2-yO4正極活物質の充放電に伴う電子状態の変化 7 おわりに 第2節 リチウム二次電池新規正極材料 1 はじめに 2 LiCoO2型酸化物正極 2.1 Li1+xCoO2 2.2 LiNiO2系正極 3 LiMn2O4系スピネル酸化物 4 鉄を含む正極物質 4.1 オリビン型LiFePO4 4.2 LiFeO2 4.3 Li5FeO4 第3節 LiNi1-x-yCoxMnyO2正極活物質の合成と充放電特性 1 はじめに 2 実験 3 結果及び考察 4 むすび 第4節 リチウムマンガンスピネルの相関係と構造 1 はじめに 2 結晶構造 3 相関係 4 対象性の低下した相 5 酸素欠損 6 相転移 7 おわりに 第5節 Mnスピネル系正極を使用した電池の開発と実用化 1 はじめに 2 正極活物質材料の比較 3 LiMn2O4系正極材料の開発の歴史 4 LiMn2O4系正極材料を用いた二次電池の概要 5 終わりに 第6節 噴霧熱分解法によるLoMn2O4の合成と評価 1 はじめに 2 噴霧熱分解法+再熱処理による活物質合成 3 粒子の形成過程 4 噴霧溶液濃度・熱分解温度と二次粒子径の関係 5 再熱処理温度の影響 6 イオン電池による充放電サイクル特性 7 放電レート特性 8 出発原料塩の影響 9 まとめ 第5章 負極材料 第1節 リチウム電池用合金系負極材料の新展開 1 はじめに 2 スズ-遷移金属(M)系コンポジット合金 3 スズ-銀-M系コンポジット合金 4 おわりに 第2節 MCMB系負極材料 1 緒言 2 MCMBとは? 3 MCMBの製造方法 4 MCMBの特徴 5 MCMBの熱処理と構造変化 6 MCMBの負極特性 7 黒鉛化MCMBの高容量化 8 結言 第3節 高電動材料,電池材料としてのグラファイト層間化合物 1 グラファイト層間化合物とは 2 軽量の高電導材料としてのグラファイト層間化合物−金属的2次元導電体− 3 グラファイト層間化合物を用いるリチウム電池 第6章 その他の材料 第1節 LiMn2O4系に対する導電付与剤,集電体&電解液の効果 1 緒言 2 複合デバイスとしての電池 3 電流経路の数 4 活物質,導電付与剤,集電体,電解液の組み合わせ 5 まとめ 第2節 リチウムイオン伝導性ガラスを用いた全固体リチウム二次電池 1 はじめに 2 固体電解質と全固体リチウム電池 3 酸化物ガラスを用いた全固体リチウム二次電池の特性 4 おわりに ■第V部 その他の蓄電池■ 第1節 ニッケル・水素電池−最近の動向について− 1 はじめに 2 ニッケル・水素電池の特徴 3 ニッケル・水素電池の電極反応 4 電池の構成 5 各構成材料について 6 まとめ 第2節 HEV用角型ニッケル・水素蓄電池 1 はじめに 2 HEV用角型ニッケル・水素蓄電池 2.1 ニッケル・水素蓄電池の反応機構 2.2 HEV用角型ニッケル・水素蓄電池 2.3 出力特性 2.4 寿命特性 3 おわりに 第3節 マイルドハイブリッド車用36V制御弁式鉛電池の開発 1 はじめに 2 36V電池の緒元および特長 3 36V電池の構成 3.1 正極版 3.2 負極版 3.3 セパレータ 3.4 電槽・蓋・セル配置 3.5 端子部 3.6 排気構造 3.7 温度センサー 4 36V電池の特性 4.1 放電特性 4.2 出力特性 4.3 ISSシミュレートパターンでの寿命特性 5 SOCおよびSOHの推定方法 6 おわりに 第4節 レドックスフロー電池の各種用途への適用 1 はじめに 2 レドックスフロー電池の原理と特徴 2.1 レドックスフロー電池の構成と原理 2.2 レドックスフロー電池の特徴 3 レドックスフロー電池の適用例 4 レドックスフロー電池の使用材料 4.1 電池セル 4.2 タンク、ポンプ、配管 5 おわりに 第5節 固体活性炭電極を用いたハイパワーキャパシタ 1 はじめに 2 電気二重層コンデンサとは 3 固体活性炭電極 4 高電圧ハイパワーモジュール 5 ハイブリッド自動車への応用 6 むすび |