マテリアル インテグレーション 2006年9月号
エレクトロニクセラミックス薄膜


特集によせて
TDK株式会社 基礎材料開発センター 坂本 典正

薄膜は昔から色々な先生方・産業界の方々が研究され,半導体を中心に応用製品が広がり今日に至っています.最近では白色発光ダイオードを中心とした照明分野にも応用が広がっており,またコンデンサでも厚膜を中心とした積層チップコンデンサの先は薄膜による積層ではないかと言われています.それに従い薄膜の工法もスパッタ−による気相法から始まり,液相による薄膜の形成も活発に研究されていますし,またMOCVD法でセラミックスの薄膜を規則正しく配列して作成する事も一般的になってきました.

今回はセラミックス・金属等の強誘電体・磁性体・光ディスクの3分野での薄膜に焦点を当て,それぞれに異なる製法・特徴を持った薄膜について基礎的な研究段階から応用製品にいたるまで幅広く確認できる様に第一線で活躍されている方々に現在の研究成果を執筆して頂きました.

薄膜の作成を一度も経験していない私がこの様な特集を組むのも大変おこがましい事ではありますが,一ノ瀬先生をはじめとしたエレクトロニックセラミックスの編集委員の方々の絶大なる協力の下に編集する事ができた事は望外の幸せです.

更にはこの特集の中から将来の指針の参考になれば幸甚です.